小笠原伯爵邸という結構いかめしい名前のレストランに先日行ってきました。
小笠原伯爵邸はスパニッシュ様式の洋館なのですが、同時に、雰囲気が良い歴史的建造物の中で美味しい食事を楽しめるスペイン料理のお店なんです・・!
来店を考えている方向けに、邸内の様子や雰囲気、料理について解説していきます。
ミシュランで13年連続星を獲得しているスペイン料理の名店中の名店
小笠原伯爵邸は、2008年から現在までなんと、13年連続ミシュランの星を獲得しています。
ランクは一つ星です。
スペイン料理のジャンルでミシュランの星を獲得しているのはなかなかスゴいです。
というのも、2020年のミシュランガイド東京でスペイン料理のお店で一つ星以上を獲得しているお店はなんと3軒しかないんですね。
しかも13年連続で星を獲得しているミシュランの常連です。
東京にあるスペイン料理の一つ星は小笠原伯爵邸のみ。
二つ星はサンパウとスリオラというお店の2店舗。スペイン料理では三つ星は1店舗もありません。
ちなみに2020年のミシュランガイド東京で、フランス料理のジャンルで星を獲得しているお店は53軒あります。
フランス料理と比べてスペイン料理は高級店が少ない印象ですが、3軒しかない星つきのお店の1店ということでかなりレベルは高いです。
料理の味はもちろんのこと、結婚式場として使われるほどの建物内の雰囲気がとにかく素晴らしいです。
東京にあるスペイン料理店の中では、かなり上位に入るトップクラスのお店だと考えて問題ないですね。
スペイン料理のイメージが覆されること間違いなしです。
スパニッシュ様式の歴史ある邸宅、小笠原伯爵邸
小笠原伯爵邸は、歴史的建造物に認定されており、かなり歴史のある建物です。
見学だけで訪れる人もいるほど。
都営新宿線の若松河田駅から徒歩1分のところにあります。
若松河田ってあんまり聞かない地名ですよね。新宿と神楽坂の間くらいにあります。
以前フジテレビの本社があったそうですが、現在、駅周辺は住宅街が広がっていて閑静な雰囲気です。
新大久保が近いこともあり、韓国料理店も多く、韓国人の方が多く住まれているそうです。
小笠原伯爵邸は、1927年に小倉藩の江戸藩邸の跡地に、小笠原長幹氏の邸宅として当時はやっていたスパニッシュ様式で建てられました。
小笠原長幹氏は最後の小倉(現在の福岡県)藩主の長男。
議員や陸軍の官職を歴任し、邸宅が建てられて8年後に亡くなっています。
伯爵邸はおよそ100年前に建てられたわけですが、
まだ日本に伯爵と呼ばれる貴族がいた時代に、その人が実際に住んでいたお屋敷です。
戦後は米軍の所有下におかれ、4年後に東京都に返還されました。
そこから1975年までの間、なんと都の児童相談所として使われていました。
残念な話ですが、その後は何にも使われず放置され、一時は取り壊しも検討されていたようです。
しかし2000年になって、レストラン運営会社が借りることに決まり、修復工事が終わった2002年にレストランとしてオープンしました。
こんな歴史ある洋館の雰囲気を存分に味わって、食事まで楽しめてしまうのが小笠原伯爵邸の魅力です。
雰囲気があり過ぎる!邸内の様子
建物の雰囲気を紹介していきます。
建物の外壁はクリーム色で、テレビでしか見かけないような重厚な洋館といった印象。
写真は撮っていないのですが、エントランスの受付のテーブルがとても豪華でした。
邸内はかなり広いです。
入ることができる部屋はたくさんあり、食事できる場所も一箇所だけではなくて、複数使えるようです。
建物内だけではなく、中庭の席もお庭のテントにあるテラス席も利用可。
小笠原伯爵邸は結婚式場としても有名です。
なんとお庭のテントに祭壇を設置してプライベートチャペルにし式をあげることができます。
公式サイトによるとパーティーは邸内の席を自由に使って思い思いに楽しめるとか。
庭にはオリーブの木が植えられており、庭でとったオリーブがコースに出てきます。
スパニッシュらしからぬコースの料理たち
ジャンルはスペイン料理ですが、もう少し細かくいうと、モダンスパニッシュの部類に入ります。
結構創作的です。一品一品よく凝っていて美味しく、雰囲気だけではなく、料理もしっかり楽しめるお店です。
スペイン料理と聞くと、フレンチと比べてカジュアルなイメージがありますが、さすがミシュラン掲載店、ここはかなり洗練されています。
私は感染症流行に伴う自粛が落ち着いた5月末に訪れました。
短縮営業をしていて、お客さんもそれほどおらず、見える限りで自分を入れて3組程度しかいませんでした。
この時期だからなのか、いつもそうなのかわかりませんでしたが、予約は取りやすかったですね。
今回は一人1万円のディナーコースを利用しました。
スタッフの方が一品一品料理の内容を淡々と説明してくれました。
クールな人だったので反応のタイミングが難しかったですが・・笑
接客は丁寧で、飲み物やパンなどよく気づいていただき、サーブしてもらいました。
いろいろ調べてみましたが、メニューは時期によって変わるようです。
メニュー表に記載のないプレートを含めるとなんと10品!のコースです。
ハモンイベリコ豚のコンソメ 根セロリのキューブ 自家製チョリソのプレニャーオ
コンソメはイベリコ豚のおだしがかなり効いていて深みのある味わいでした。プレニャーオとはパンのことです。
岩手高原卵のスモーク えんどう豆 白美人葱のクレマ
見ての通り卵の色が恐ろしく濃くて、口当たりはとても濃厚でした。
とろりとした卵と一緒に食べるえんどう豆と葱のさくっとした食感が爽快でしたね。
ちなみにクレマとは泡のことです。
マンチェゴチーズのアイスムース カラフルトマト ヘーゼルナッツのピカダ
チーズがムースになっていました。口に入れるととろけます。
私はトマトが苦手なのですが、この料理のトマトは美味しく食べることができました。
ホタテ アロスヴェルデ イカ墨のアリオリ
アロスヴェルデとは、ほうれん草を使って煮込んだご飯のことです。アリオリはスペインで使われるマヨネーズのようなソースのことです。
ご飯はパエリアのお米のような濃厚な味わいでお茶碗一杯にして食べたいくらい美味しかったですね。
スズキのプランチャ フレッシュフェンネル柑橘の風味 白ワインソース
プランチャとは鉄板焼きのことです。
スズキの食感がフワフワで口の中でとろけました。
イベリコプルマのグリル パプリカのタプナード 新蓮根のクロッカンテ
メインですね。さすがの美味しさでした。
初夏の庭 抹茶 マンゴー パッションフルーツ
マンゴー、パッションフルーツ、抹茶の創作料理でした。
見た目も楽しいです。パッションフルーツの酸味と抹茶の苦味がマンゴーの甘味を引き立てます。
ラベンダー チェリーのメレンゲ 北海道産ルバーブ トンカ豆
上にのっているメレンゲはありえないくらい軽い食感でした。
誕生日用プレート
プレートつきのコースを予約したら、プレートを作ってもらえました。
コーヒー、小菓子
写真を撮り忘れました。
美味しい料理をお腹いっぱい味わえてとても大満足でした。
文化財見学つきミシュランレストラン
小笠原伯爵邸を一言で言うなら、「歴史的建造物である洋館の雰囲気を味わえて美味しい料理を楽しめるレストラン」です。
雰囲気は圧巻で、デートにはもってこいだと思います。
個人的には文化財見学つきミシュランレストランと呼びたい。
ちなみにランチ予約の場合、邸内の見学をしたいと申し出れば、案内してもらえるそうです。
私はディナーで利用しましたが、見学したいんですけどと言ったところ、何部屋か出入りさせてもらえました。
ドラマやPVのロケ地としても使われているそうで、「あなたのことはそれほど」というドラマや、L'Arc〜en〜Cielの「叙情詩」という曲のPVにも使われたようです。
また、レストランとは別で、建物内にOGA BAR(オガバル)というカフェコーナーがあり、気軽に立ち寄ってお茶をすることもできます。
少し部屋の写真を載せていきます。
元喫煙室です。
お手洗いです。
ぜひ記念日などのデートに使ってみてください。
・ジャンル:スペイン料理
・営業時間:
ランチ 11:30~15:00(クローズ)
ディナー 18:00~23:00(クローズ)
新型コロナウイルス感染症対策の影響でディナーは短縮営業中です。
・定休日:なし
・住所:東京都新宿区河田町10-10