「仕事でやる気が出ない」、「集中して効率よく仕事をしたいのに全然集中できない」・・
なかなか集中できずダラダラ仕事をする時間って、やたら長く感じるし、その割に成果も上がらずなかなか辛いですよね。
「自分は集中できないタイプの人間だ」と悩んでいる人も多いはず。
集中できるかできないかを左右するのは生まれ持った才能ではなく、コツを知っているかどうかによるものが大きいです。
コツは余計なことを考えないこと、時間を短く区切ることです。
この記事では、集中力が続かない方に向けて対処法を詳しく書いていきます。
きっと集中して仕事に取り組めるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
集中力が続かない原因は頭の使い方にあり
日々の思考や意思決定、判断で徐々に集中力が削られていく
集中力は人間の頭の中にある前頭葉というところでコントロールされています。
前頭葉は、主に思考や判断、感情のコントロールといった、いわば人間の知性をつかさどる重要な部位です。
ポイントは、集中力だけでなく思考や判断も同じ前頭葉で管理されているということ。
実は集中力の源は一つしかなく、しかも思考や判断、感情のコントロールに使われるものと共通なんですよね。
だから、様々なことをとりとめもなく考えたり、たくさんの意思決定をおこなったりすると、自然と集中に使えるエネルギーは減少してしまいます。
人は、日常生活において1日に数え切れないほどの思考や判断を行います。
だから、ただ生活しているだけにもかかわらず、徐々に集中力が削られてしまうわけです。
特に現代は、情報があふれており、私たちは無駄な考えや妄想が広がりやすい環境の中にいます。
意識していなくても、SNS、ネットニュース、動画等を閲覧することで頭は反応し続け、脳内のエネルギーは消耗していきます。
休憩がてらスマートフォンを操作しているつもりでも、実はエネルギーが漏れているんですよね。
エネルギー消耗で特に大きいのは、判断や意思決定です。
例えば、あの仕事はいますぐやるべきか、どういう手順でやるべきか、このメールはあとで返信して良いか・・・
こういった判断や意思決定は1日の中で何度も何度も行うと思います。
実は、その度に集中に使える脳のエネルギーは削られて、どんどん疲れが溜まってしまうのです。
逆にいうと、集中力を持続させるためには、不要な思考や意思決定はなるべく避け、自分の脳のリソースを節約することがポイントになります。
そもそも人間の脳は集中を持続させないようにできている。
進化生物学的な観点で考えると、そもそも人間の脳は集中を持続させないようにできています!
狩猟採集時代には、人間の身の回りには危険がたくさんありました。
どうもうな肉食動物に気づかれて襲われないように常に身の回りに気を配る必要があります。
そんな環境では、一つのことに集中して周りが見えなくなるのはとても危険ですよね。
ですから、危険を回避できるようにするため、自然と集中力が続かないようになったわけです。
集中できないのは、むしろ理にかなった自然なこと。
集中できないからとってくよくよ悩まなくても良さそうですね。
日頃の考え方を変えて集中力をあげよう
思考をコントロールしてエネルギーを節約する
先ほども書きましたが、集中力の源は一つしかありません。
しかも思考や判断、感情のコントロールに使われるものと同じです。
ですから、「そもそも余計なことに頭を使わない」を意識すれば、自然と脳内のエネルギー源が浪費されないようになります。
特にエネルギーを大きく消耗するのは、悩み、不安、心配です。
仕事の効率という点でいうと、くよくよ悩んだり考えたりするのをやめるのが一番良いです。
仕事に関する悩みはもちろんですが、仕事以外のプライベートに関する悩みも含みます。
仕事とプライベートを切り分けている方は多いと思いますが、人間の脳はそれらをうまく切り分けることはできません。
恋愛の悩みや友人とのトラブル、家族とのケンカ・・
これらのことをぼんやり考えていると、脳の貴重な資源はその妄想に使われてしまい、集中力が散漫になり、仕事の効率は落ちてしまいます。
仕事の時は心配事、悩みは思い切って一旦棚に上げて忘れましょう。
心配事や不安は紙に書き出して一旦忘れる
心配事や不安を考えないようにしようと言葉でいうのは簡単ですが、これがなかなか難しい。
そもそもついついクヨクヨ考えてしまうからこその心配であり、忘れようと割り切ってすぐ忘れられるものではないですよね。
心配や迷いは妄想の一種です。
妄想というのは、無意識のうちに特定の出来事に対して取り止めのないことをああだこうだ考えている状態です。
妄想をやめるのに一番いいのは自分が考えていることを紙に書き出して可視化すること。
自分が考えていることを文字にしてみると、「ああこんなことに悩んでいたんだな」「思ったより大したことないじゃん」と客観視できて案外楽になります。
紙に書くことで、頭の中の不安を外に吐き出すイメージですね。
同時に頭のメモリもクリアになり、集中に使える資源が増えます。
シングルタスクが脳にとっては一番良い
集中の観点から一番いいのは、常に一つのことを考えて作業すること。
結局、脳にってはシングルタスクがベストなのです。
先ほど、「そもそも余計なことに頭を使わない」ことが大切と言いました。
極論言うと、今取り組んでいる仕事以外の全てのことは「余計なこと」なのです。
急な仕事が入った際に、その仕事は今やるべきか、どう進めようか、期限内に終わるかなあとか考えながら今やっている仕事をするのは非効率です。
今やっている仕事ではないものに脳の資源が使われ、今やっていることに対する作業の効率が落ちてしまいます。
私がオススメしたいのは、発生した仕事は今やる/やらないをすぐ判断し、やらないと決めたことは一切考えないことです。
メールの返信含む急な仕事が出てきたら、一旦全てメモやTODO管理ツール等に書き込みましょう。
そしてすぐに忘れましょう。
この仕事は今やったほうがいいかな、どう進めたらいいかな・・等決めないといけないことを先延ばしにしていると、無意識下でどうしようと気にした状態が続くことになります。
中途半端に物事の決定をやりかけのまま放置してしまうと、そのことをついつい気にしてしまい脳の資源のリソースを消費してしまうわけですね。
そんな非効率なことをするくらいなら、すぐにやるかやらないか決めてしまいましょう。
そしたら、今やらないと決めた仕事のことは一切考えないのが脳科学的には一番いいのです。
日常生活の選択・判断の回数を減らす
細かいものも含め、人は1日の中で数多くの選択や判断を行っています。
選択や判断の回数が多く、その際の迷いが大きいほど、脳の資源はより多く削られてしまいます。
どんな細かいことでも、選択や判断を行う際に少しずつ集中力の源は削られてしまうんですよ。
選択の数を減らせば、自然と集中力も上がります。
かなり有名な話ですが、スティーブ・ジョブズは公の前に姿を見せる時、常に黒のタートルネックのトップスにジーンズを着ていました。
着る服を選ぶことに使うエネルギーなんて大したことないのでは?と思われるかもしれません。
しかし、日常生活は細かい選択や判断の連続です。
一つ一つは小さいことでも、それが積み重なると無視できないくらいに消耗度合いが大きくなってしまいます。
例えば、食べたお菓子の袋をとりあえず机の上に置いて後で捨てるか?それともいますぐ捨てるか?
朝食は冷蔵庫の余り物でいいか?あるいはパンをトーストするか?・・
これらも意思決定です。
意思決定のエネルギーを少なくするために一番いいのは、自分のルールを決めておくことです。
例えば「お菓子を食べてゴミが出たら、すぐに捨てる」ルールさえ事前に決めておけば、何も考えなくても反射的に処理ができます。
自分ルールを作っておくことで意思決定を省略できてエネルギーもさほど使わなくて済むわけです。
あとは、シングルタスクのところでも書きましたが、即時即決することです。小さなことほどすぐに決めてしまいましょう。
「落ち着いてから考えよう」とすぐに決めないと、無意識下で「あれどうしようかな」と気にした状態が続いてしまいます。
先延ばしにするだけで脳の資源が食われてしまうのはもったいないですよね。
集中はマラソンではなく短距離走
時間を短く区切って取り組んでみよう
集中力は長く続きません。
その特徴を逆手にとって、作業時間を短く区切ってしまいましょう。
短い時間であれば人間の集中力は持続します。
出勤して、「今日1日あれば、これとあれとついでに先延ばしにしていたあれも全部終わらせられるはずだ」と意気込んで仕事を始めたものの、
集中力が続かず、結局ろくに作業ができず全然仕事が終わらなかった という経験をお持ちの方も多いのでは。
人は時間が十分あると思うと、ついついダラダラしてしまいます。
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」という法則があります。
私もですが、結構思い当たる方も多いのでは。
これはイギリスの歴史学者および政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱したもので、パーキンソンの法則と呼ばれています。
人は、取り組む時間が十分あると考えると、仕事に対してあれもできるこれも考えなきゃと様々な選択肢を与えてしまい、様々な可能性を考え試そうとしてしまう傾向があります。
当然いろいろなことを試すのは悪いことではありません。
しかし、これは、集中力や効率という観点ではありまり良いことではないです。
あれもこれもと考え始めると、思考がぼんやりしてなかなか集中モードに入れなくなります。
逆に、取り組む時間を短く設定するほど、実は仕事は早く終わるようになります。
時間に制限がかかると、自然と試すことができる選択肢が狭まります。
あれもこれもと考えなくてよくなり、選択肢が多いケースと比較すると迷いが少なくなるわけです。
すると脳の資源の浪費が少なくなり、集中力が高まるという理屈です。
あれもこれもと思っている状態は、脳のメモリが浪費されている状態であり、いろいろなことを考えるほど集中力は削がれてしまいます。
時間や選択肢を狭めてこの逆をやるのが、集中という観点では実はベストです。
ポモドーロ・テクニックを活用しよう
イギリスの作家、フランチェスコ・シリロが考えた「ポモドーロ・テクニック」という集中術があります。
ポモドーロとはイタリア語でトマトのこと。
ポモドーロ・テクニックの名前は、考案者が使っていたトマト型のキッチンタイマーに由来しています。
その方法は、至って簡単です。
まずは対象となる作業を選びます。
その作業を25分単位に分割して、途中に5分の休憩を挟みながら取り組みます。
たったこれだけです。
ポイントは、時間を細かく区切る これにつきます。
時間を細かく区切って取り組むことをシンプルにすることで、余計な選択肢が排除され、あれこれ悩まずに効率よく脳を使えるようになります。
また、制限時間を設けることで、それを出来るだけ守らなければという思いが強くなり、おのずと集中して作業しようという意識が働きます。
ポモドーロ・テクニックを活用するためのコツを紹介します。
仕事が終わらなくても制限時間が経過すれば必ず切り上げる
25分の制限時間で設定した作業が時間内に完了しないこともあるでしょう。
その場合は、時間が経過してもその作業を継続するのではなく、必ず切り上げましょう。
集中力を高めるのに最も注意すべきは、ダラダラやらないことです。
仕事の進捗は関係ありません。
むしろキリが悪いなあと思うくらいがちょうど良いです。
キリが悪いと、その作業をもうちょっとやりたいなあという気持ちになりやすく、作業に飽きません。
作業に飽きないので、やる気が持続します。
必ず一つのことに集中する
前にも書きましたが、複数のことを同時に考えたり、実行したりすると、脳のメモリが占有され、集中力が削がれてしまいます。
脳科学的には、一つのことだけをやるのが最も効率が良いです。
25分の制限時間で、小さい作業をたくさんこなすことを計画した場合には、それらを同時にこなすのではなく、これが終わったら次はあれというふうに常に一つ一つ片付けるようにしましょう。
常に一つのことをやっている状態がベストです。
休憩時間には必ず休憩する
休憩時間は体を動かす、瞑想するなど、あえて頭を使わないようにするのが望ましいです。
スマートフォン等は、ぼんやりとした思考のもとになるので避けたほうが良いです。
先ほど判断や思考は脳のリソースを消費すると言いました。
人間は何も考えないようにしようと心がけてもついつい妄想やぼんやり考えごとをしてしまうものです。
普段私たちは余計なことを考えすぎなので、あえて何も考えないことを練習すると良いですね。
ポイントは頭のメモリを空けるイメージです。
まとめ
集中力を高めるポイントをまとめます。
- 余計なことを考えない
- 時間を短く区切る
この二つだけでも覚えて、仕事で意識してみてください。
ダレずに集中モードで仕事ができるようになれば幸いです。