と考えているあなたに、メタバースとNFTの関わり、注目されている理由、今後の展望に解説していきます。
そもそもメタバースとは何か?
メタバースを簡単にいうと、web上に作られた仮想空間のことです。
レディ・プレーヤー1やマトリックスなど、仮想空間をテーマにした映画ありますよね。
メタバースは、マトリックスと同じように、人が没入して体験できるバーチャル世界、現実世界とは違うけれどリアルに体験することができるもう一つの世界です。
今あるサービスでメタバースとしてイメージしやすいのはゲーム。
あつまれどうぶつの森やマインクラフトなどをメタバースの例として挙げている人も多いと思います。
こういったあらかじめ用意された空間に、ユーザがコンテンツを作って楽しむゲームをメタバースと解釈されることが多いです。
しかし、メタバースは「もう一つの世界」のことであり、単なるゲームとは違います。
メタバースの特徴として、多くの人があげる要素として以下の3つがあります。
- 永続性:参加することをやめても、終わらず存在し続ける
- 同期的:オンラインで常に同期され続ける
- 無制限:制限なく多数のユーザが参加できる
どうぶつの森は、ゲーム機の電源を切ったらそこでゲームは一旦終了しますし、プレースタイルは個人で楽しむことに主眼を置いています。
なので、先ほど記載した基準に照らし合わせてみると、どうぶつの森はメタバースとは言えません。
よく考えると、これらは現実世界を成り立たせている要素でもありますね。
- 永続性:Aさんが寝て起きたら世界の存在が消えていたということは起こりえず、世界は終わらず存在し続けます
- 同期的:全ての人間の活動は常に同じ時間の中で営まれていきます
- 無制限:土地の制約を除けば世界に存在できる人間の数に制限はありません
このように、現実世界を成り立たせているルールを仮想世界に持ち込んだのがメタバース なのです。
メタバースがNFTのトレンドとして話題の理由
NFTやブロックチェーン、仮想通貨の情報を追っている人は、2021年頃からメタバースという言葉をよく聞くようになったと思います。
と疑問をお持ちの方も多いはず。
すごく簡単にいうと、NFT・ブロックチェーン技術は、メタバースに現実世界のルールを持ち込んでメタバース普及を大きくプッシュする起爆剤だからです。
メタバースと現実世界の壁がなくなっていくことで、より多くの人がメタバースに馴染みやすくなり、メタバースの普及が大きく後押しされます。
NFTとブロックチェーンはメタバースで大活躍できる分野なので注目されているのです。
ベンチャー投資家のマシュー・ボール氏は、メタバースの要素として以下の7つを挙げています。(意訳しています)
- 永続的で一時停止やリセットが存在しない
- 同期されておりライブ状態が続いている
- 無制限にユーザが参加できる
- 経済が機能し、参加者が価値を生み出し報酬を得られる
- デジタル世界と物理世界の垣根を越える
- 相互運用性が高くプラットフォームの垣根を越える
- それぞれの参加者が大量のコンテンツを提供する
NFT・ブロックチェーンは上記要素のうち、4、5、6を実現する技術です。
そのあたりを詳しく解説していきたいと思います。
ブロックチェーンはメタバースをよりオープンにする
オープンメタバースという言葉があります。
オープンメタバースとは、メタバース同士の互換性が高い状態を指します。
例えば、Minecraftのアバターやアイテムをフォートナイトでも使ったり、
サービスの外に取り出して売買することもできる ようなイメージです。
先ほどのメタバースの7要素のうち、
- デジタル世界と物理世界の垣根を越える
- 相互運用性が高くプラットフォームの垣根を越える
を実現すると、メタバースがオープンメタバースになっていきます。
今までと何が違うの?何がすごいの?と思われた方もいるかもしれません。
実は、今までのWebサービスでは、あるサービスのデータやアイテムを別のサービスで使うことはできませんでした。
もっというと、そもそもユーザはデータを所有すらしていませんでした。
どういうこと?
例えば、Kindleの本をRakuten Koboで読むことはできません。
実際にAmazonの規約を読んでいただくとわかるのですが、
ユーザに与えられているのは書籍データの利用権であり、所有権はAmazonが持っています。
データは事業者のサーバに保管されていて、事業者のものなんですね。
なのでサービスが終了したらデータ自体消えてしまいます。
NFTはこの状況を180度変えました。
本当に大きなイノベーションなんです。
NFTを一言で言うと、所有権が付与されているデジタルデータです。
NFTのデータは事業者のサーバではなく、ブロックチェーンというオープンなネットワーク上にあります。
ブロックチェーンのネットワークは、事業者の手の中にあるのではなく、ユーザみんなが共同して管理しています。
サービスの外でデータを管理していることから、別のサービスでデータを使うことも容易になるのです。
また、サービスが終わってもデータが消えることはありません。
NFT・ブロックチェーン技術により、デジタルの世界に所有という概念が生まれました。
モノの保有という物理世界では当たり前の概念をデジタル世界に持ち込むことができたんですね。
これによって現実の物理世界のルールがメタバースに適用されることで、メタバースが、より私たちが馴染みやすいものになっていきます。
NFTはメタバースに経済の仕組みを作る
NFTとブロックチェーンによって、さらにいいことがあります。
デジタルアイテムが資産価値を持ち、簡単に交換できるようになります。
資産の交換ができるようになるとどうなりますか?
経済活動が生まれるんです。
経済に着目してGameFiと呼ばれることもあります。
GameFiについては以下の記事をご覧ください。
NFTによってデータが資産価値を持つようになった理由
NFTは改ざんやコピーができないという特徴があります。
厳密にいうと、データ自体のコピーは可能ですが、所有権の改ざんが不可能なため、コピーすると正当な所有者でないことが一瞬でバレます。なので、実質コピーできないのと同じと捉えてもらって問題ないです。
コピーができないという一点モノ という物理世界のルールが加わると、データが資産価値を産むようになります。
実は、これまではデジタルデータは現実世界のモノのように高い資産価値を持ちづらかったです。
なぜなら、データは簡単にコピーできるから。
ネットを見渡すと違法にコピーされた映像やコンテンツがたくさん出回っているのがわかると思います。
- データは複製にかかるコストがほぼ0なのでコピーしていくらでも同じものを供給できます
- 供給量が爆発的に増えます
- 需要に上限があるにも関わらずと供給量が圧倒的に多いので、コンテンツの値段は下がり、価値が0に近づいていきます
今どき、映画を一本いくらで購入したりレンタルしたりする人はほとんどいないと思います。
ほとんどの人がNetflixなどのサブスクリプションを利用していますよね。
NFTはこのルールを180度変えました。
NFTは所有権が付与されているデジタルデータです。
正当な所有者が誰かがわかるようになっており、それを改ざんすることはできません。
コピー・改ざんができないので、供給量が爆発的に増える ことは起こりません。
供給を適切にコントロールすることができるので、宝石や不動産などの価値あるリアル資産と同じように、デジタルデータでも需要によっては高い資産価値を持てるようになりました。
ブロックチェーンによって交換が簡単にできるようになった理由
主要なメタバースプロジェクトでは、サービス内外の取引所で自由に資産を交換して取引ができるようになっています。
これも実は革命的です。
例えば、多くのソーシャルゲームやオンラインゲームでは、ゲームアイテムやゲーム通貨をユーザ同士で取引することができない・あるいは禁止していました。
主な理由は以下の通りです。
- 取引所の仕組みを作るのに多大なコストがかかる。不正を監視するコストも発生する。
- ゲームアイテムをユーザ同士の取引で入手できるようになると、ゲーム内の課金が減り、運営会社の収益が落ちてしまう。
一方、ブロックチェーンのスマートコントラクトという仕組みを使うと、これらの問題を解消できます。
スマートコントラクトで取引行為を行う仕組みを簡単に実装できるようになり、
管理者不在でも不正を排除して取引を確実に遂行することができ、不正監視のコストも大きく削減できるのです。
こうしてメタバースに経済が生まれる
以上に記載してきた、二つの特徴によって、経済がメタバース世界に生まれます。
- 資産価値を持つデジタルデータ
- デジタル資産を交換できる
→価値のある資産の交換は、それは経済活動です。
メタバースに経済が生まれると、ユーザはサービスを売買し収益を上げることができるようになりました。
現実世界で仕事をせず、メタバースで生計を立てる人も今後どんどん出てくると思います。
経済という現実世界の仕組みをメタバースに持ち込むことで、さらに現実世界との境界が消えていき、メタバースの普及を大きく後押しすることになります。
注目のメタバースプロジェクト4選
ここからは、現在注目度の高いメタバースプロジェクトを紹介します。
NFTやブロックチェーン技術を採用している主要なメタバースプロジェクトは独自トークン(仮想通貨)を発行して資金を調達しています。
サービスの人気が出るとこれら独自トークンの価格も上がります。
これらの独自通貨を買うことで、簡単にメタバースプロジェクトに投資ができるようになっています。
Decentraland
イーサリアムを基盤としているサービスです。
LANDと呼ばれる土地に施設を建てたり、アイテム等のコンテンツをユーザが作ったりして楽しむことができます。
アイテムは自由に売買できます。
MANAというサービスの独自トークンがあり、ゲームアイテムをMANAで売買することが可能です。
The Sandbox
Decentralandと同じく、LAND上に施設を建てたり、コンテンツを作ったりして遊ぶことができます。
Decentralandとの違いは、クリエイターが独自のゲームを作って公開できることを押し出している点やボクセル形式(立体的なドット絵のようなもの)の映像である点です。
SANDという独自トークンがあり、アイテムをSANDで売買することが可能です。
SANDについては以下の記事で解説しています。
Bloktopia
21階建ての高層ビルをイメージしたメタバースです。
一般的なメタバースと違い、広大なマップではなく、一つのビルの中という縦に長い世界が用意されています。
近未来感があるプロジェクトです。
BLOKがサービスの独自トークンになります。
以下の記事で解説しています。
Everdome
火星への植民をテーマにしているメタバースです。
楽しみ方は、他のメタバースプロジェクトと同じで、ユーザが自由にコンテンツを作って遊ぶことができます。
Metaheroというプロジェクトと連携しています。
巨大な設備で人間を丸ごとスキャンしてアバターにすることができます。
このアバターを使って楽しめるようになるようです。
DOMEという独自トークンを発行しています。
sメタバースはこれから普及していくの?
2021年にFacebookが社名をMetaに変更したことが話題になりましたね。
このニュースを受けて、メタバースという言葉がより有名になった感があります。
現在、大小様々な企業がメタバースに注目しており、参入が進んでいます。
中期的には、多数のサービスが生まれていき、最終的には複数の主要サービスにユーザが集中していくのではないかと考えています。
と思われる方もいるかもしれません。
私は、今後メタバースはものすごいスピードで普及していくと考えています。
メタバースに近いサービスはSNSです。
メタバースはオープンなコミュニケーションの場として捉えることもできると思います。
SNSはテキストや写真の共有によるコミュニケーションがメインですが、メタバースでは、もっとリッチな表現ができます。
自分のアバターを投影することができるので、実際に物理世界でコミュニケーションをとっている気分になります。
主流のコミュニケーションツールは、SNSから、もっと没入して楽しむことができるメタバースに置き換わっていくと思います。
自由とSNS
現代は、自由主義がもてはやされていて、自分で何を考えるか、自分がどう感じるかが尊重される社会です。
多様な価値観や選択肢が存在して、一見いいことのように思えますが、実は自由であることはプレッシャーを伴う苦しみとも表裏一体です。
生きる目標や生きる意味は外から与えてもらえず、自分で見つけなければいけません。
SNSの発達はそんな自由主義の現代において自然な流れです。
SNSで似たような価値観の人と交流することで、自分の考えの正しさを強化して、安心して、プレッシャーを伴う苦しみを和らげることができるからです。
人は自分にとって居心地の良いコミュニティを求めます。
このコミュニティがもっとリアルになれば、人々はそこにもっと長い時間いたいと思うようになるのは自然です。
それがメタバースではないでしょうか。
この流れは不可逆で、メタバースは予想以上のスピードで普及していくと思われます。
実際、多くの人が、TwitterやInstagram等のSNS、Tiktok等のライブ配信、LINEといったメッセージツールに非常に長い時間を費やすようになっています。
登場から20年やそこらでSNS等のコミュニケーションツールにこれほど長い時間を人々が使うようになると誰が想像できたでしょうか?
メタバースという言葉をよく聞くようになってまだ間もないですが、これから驚くほどのスピードで普及し、10年後には多くの人が長い時間をメタバースで過ごすようになっていると私は思います。
まとめ
メタバースとは何かというところから始まり、NFTのトレンドとしてメタバースが注目されている理由を詳しく解説しました。
- メタバースは仮想のもう一つの世界、リアルではないが没入できる仮想世界です。
- NFTやブロックチェーン技術は、現実世界のルールを仮想世界に持ち込み、より普及を後押しします。
- これからメタバースは驚くほどのスピードで普及が進んでいくと思います。
NFT系のメタバースプロジェクトは独自トークンを発行しており、独自トークンを購入することで投資に参加することが可能です。
興味がある、応援したいプロジェクトがあれば、トークンを購入して投資に挑戦してみても良いと思います。
多くのメタバースプロジェクトの独自トークンは海外の取引所で購入する必要があります。
有名どころで言うとBinance。
口座をお持ちでない方はぜひBINANCEに登録してみてください。
登録・口座開設の方法は以下の記事を参考にしてみてください。