「朝目覚めると気分が重い・・」、「日曜日の夜は吐き気がする・・」
仕事のストレスに悩む人は多いでしょう。特に休みが終わった月曜日に会社に行く電車の中はあれこれ憂鬱なことを考えてしまい結構しんどいですよね・・
私も以前はそんな時期がありました。
連休明けなどさすがに気分が重くなるときは今もあるにはありますが、趣味で心理学を勉強して今ではストレスをあまり感じない体質になりました。
仕事が辛くて悩んでいるあなたに、辛い時の乗り越え方を紹介します。
仕事が辛い原因は自分の解釈にあり
そもそも仕事が辛い原因ってなんでしょう?
自分が仕事ができないから?よくキレる上司がいるから?夜遅くまで働かされるから?
もちろん辛いと感じる理由は人それぞれだと思います。
一つだけじゃなくて、あれもこれもとたくさん気に悩んでいる方も多いでしょう。
原因は多種多様に見えますが、私は、仕事の辛さの根本原因は自分の解釈の仕方だと思っています。
辛いというのは感情です。
感情は、辛いとか悲しいとか腹が立つとか、人が出来事に対して抱く気分のことです。
で、気分というのは、起こった出来事から自動的に生まれるのではなくて、その出来事を一旦頭が解釈した結果として生まれるものです。
例えば、理不尽な理由で、上司が突然机を力一杯叩いて怒鳴ってきたとしましょう。
怒鳴っている出来事が目に入って、「自分に対して異常なほど怒っている」という解釈が生まれ、胸が痛くなり、恐怖という気分が生まれます。
ここで重要なポイントは、恐怖という感情はどのような状況でも自動的に生まれるものではないということです。
同じような状況が起こっても全然恐怖を感じず平気にできる人もいますしね。
要は感情は人の反応の結果なのです。
反応の結果だということがわかれば、反応の仕方を変えればその感情と上手に付き合うことができるようになります。
今、辛いと考えている出来事が起こったとしましょう。
仕事に関わることですから、大体の場合、その出来事自体をなくすのは困難なケースが多いと思います。
そんな時、その出来事をなくそうと無理な努力をする必要はなくて、嫌な感情が起きないように心の使い方を変えればいいんです。
シンプルに考えれば、案外乗り越えられそうじゃありませんか?
一番の対処法は客観的に分析してみること
私が考える一番の対処法は、
今あなた感じている悩みや起こっている出来事を客観的に分析してみることです。
いっそのこと「転職して職場を変える」等、環境自体をガラッと変えるという対処法もありますが、原因は心にある以上、心の使い方を変えてみるというのがまずはよいと思います。
何も特別なことをしなくても実践できますし、それでうまくいくのであれば万々歳でしょう。
転職は、いろいろ頑張ったけどどうしてもうまくいかなかった・・という時の最終手段にとっておきましょう。
客観的に分析する対象は、「出来事」と「感情」です。
例えば、こんなケースを見てみます。
普段から急に仕事を振ってくる上司がいて、その上司から「この仕事急ぎで頼む」と言われた。
あなたは自分の仕事で忙しくしており、それを説明して断ろうとしたが「どうしてもやってくれ」と頼まれ渋々受けた。
作業をしたが、上司から言われた期限を少し過ぎてしまった。
すると上司が「何で期限に間に合うようにやらないんだ、忙しくても期限は守れよ」とすごい剣幕で怒ってきた。
「せっかく無理をして手伝ったのにこの仕打ちは酷すぎる!もうこの人の言うことは聞きたくない」と怒りを感じた。また、怒り方が尋常ではなかったため、強い恐怖を感じた。
こういうケースを経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
一見すると、上司からの理不尽な叱責から怒りや恐怖が生まれるのは当然のように思えます。
出来事を客観視する
しかし、一度この出来事を客観視してみましょう。
上司から怒られたわけですが、それに対して怒りや恐怖で反応する必要はあるんでしょうか。
自分中心に考えそうになるのをグッとこらえ、客観的に考えてみます。
「上司も仕事を抱えて切羽詰まっていてイライラがつのっていたんだ。」
そう考えると、まあ仕方なかったかもしれないと思えますし、それほど強い憤りは生まれてこないでしょう。
いやいやそれはへり下りすぎだ、同じようなことが何度もあって、上司が腹いせで怒鳴っているというのが明らだ という意見もあるとは思います。
その場合、自分の感情は一度置いておいて、「また腹いせで怒っている」と状況を素直に認識します。
そうやって一歩引いて考えてみると、
「いつものことだし別にショックを受けなくても大丈夫」
と、哀れみや無感情といった怒りや恐怖以外の反応をする余裕が出てきます。
感情は出来事に対する反応で生まれます。
だから、自分の反応をコントロールできれば、自分の感情に振り回せて苦しい思いをすることも軽減できると思います。
感情を客観視する
強い怒りや強い恐怖が生まれて、その感情を引きずって辛い思いをしてしまったら、その際は感情を客観視してみると良いです。
本来、喜怒哀楽といった感情は一過性のものです。でもトラウマになるくらいその感情を引きずってしまう人もいますよね。
感情を引きずっているのは、その感情に頭が浸かってしまって歯止めが効かなくなっている状態です。
怒りや恐怖の暴走を止めるのにオススメなのは「なんで私は怒っているんだっけ、恐怖しているんだっけ」と感情のもとを考えてみることです。
怒りや恐怖といった人の感情は「扁桃体」という脳の場所で認識します。一方で論理的な思考は「前頭前野」という場所で認識します。
人類の進化の過程で、「前頭前野」の方が「扁桃体」よりも新しくできました。実はこの新しい部位が働いていると、古い部位での認識は邪魔されると言われています。
なので、論理的な思考を始めると、実は怒りや恐怖といった感情は落ち着くんですよね。
怒りや恐怖等強い感情を抱いている時は、なかなか別のことに頭を向ける余裕がないでしょうから、その場合はその感情のもとを考えるようにして、
感情→論理的思考と心の使い方を変化させるのがオススメです。
出来事の結果を予想する
先ほどまでは、すでに起こってしまった出来事についての対処法を説明しました。
次は、これから起こることに対して不安を感じている場合の対処法を説明したいと思います。
例えば、以下のようなケース。
普段から無茶振りをされる上司からA分野の内容について調べて、一週間後に顧客にプレゼンしろと言われた。
A分野はこれまで仕事で調査した経験がなく、全く知識がない。顧客と会話ができるレベルになるには、相当な勉強が必要で、一週間ではとても間に合わない・・
不安と緊張でよく眠れない日々がつづいている。
プレッシャーがかかる仕事をやっていると、失敗したらどうしようと不安で胸が張り裂けそうになりますよね。
そんなときは辛い、嫌だという感情ばかり頭に浮かべるのではなく、いっそ最悪の場合その仕事の結果がどうなるのか想像してみてはどうでしょう。
例えば冒頭に書いたプレゼンの例であれば、
などが最悪の結果として考えられるのではないでしょうか。
最悪失敗してもお客さんからの評価が下がったり、上司から怒られたりするだけです。
これってそこまでダメージが大きいでしょうか。
確かにその場の関係者の印象は悪くなるし、あなたが気まずい思いをするかもしれませんが、どうせ時間が経つとみんなすぐ忘れてしまいますよ。
仕事での失敗って、冷静に分析してみるとそこまでひどい結果が待っているわけではないケースがほとんどです。
最悪でも死ぬことはない
私は最近歴史小説をよく読んでいるんですが、
昔の時代に生きていた人々にとっては、普段の日常と死が隣り合わせなんですよね。
室町時代なんか、人々の沸点が低くて、日常の喧嘩がヒートアップするといつの間にか殺し合いに発展していたということがしばしばあったと聞きます。
武士は、戦争に駆り出されてしまうと、激しい戦いの中でいつ死ぬとも限りません。
百姓も、隣国から侵略にきた武士によって村中の人間を皆殺しにされ、いつ命が奪われるとも限りません。
さらには飢饉が起きて食べるものがなくなり飢えて死ぬこともあったでしょう。
戦国時代の武士たちは、もしかしたら明日、自分の首が自分の胴から離れているかもしれないという不安の中で日々を送っていたわけです。
一方、現代に生きている私たちは、そこまで追い詰められている状況で毎日を過ごしてはいません。
登山家やマグロ漁師など特殊な職業を除けば、現代のほとんどの仕事は、どれだけ失敗しても命が奪われる、なんてことはないです。
私は、次の日に目が覚めても、生きていることが当たり前であり、もしかしたら命がなくなっているかもなんて想像することすらしません。
ああだこうだと毎日色々な悩みを抱えて生きているわけですが、明日死ぬかもしれないという耐えがたい不安・恐怖を抱えて暮らすのと比べると、
今感じている悩みなんてとてもとてもちっぽけなことに思えてはこないでしょうか。
こうやって俯瞰して考えてみると、今仕事で抱えている悩みに対して少しは気が楽になってきます。
最後に
今回は、仕事が辛くて悩んでいる方向けに、辛い時の乗り越え方を紹介しました。
仕事が辛い原因は、もとを辿れば、自分の解釈の仕方になってきます。
感情は出来事を頭の中で解釈した結果生まれる反応です。
であれば、その解釈の仕方を変えれば良いです。
具体的な方法として、
- 出来事と感情を客観視する
- 出来事の結果を予想する
を紹介しました。
少しでも辛いことが減るきっかけとなれば幸いです。